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突発的な36協定オーバーに対する行政指導、司法処分のの可能性

Q 突発的な業務でやむをえず、36協定の延長時間を超えて労働させた場合、どのような処分を受けるのでしょうか。

 

A 1度ぐらいの協定オーバーであれば、是正勧告を受ける可能性はないわけではないが、直ちに司法処分されることはありません。

1 時間外休日労働協定 の刑事 的効力 と延長時間オーバー

労働基準法は、140時間、18時間の原則的労働時間を定め(同法32 )、その時間を超えて労働させた場合は、6カ月以下の懲役または30 円以下の罰金という刑事罰に処するとしています (同法119 1 )一方、法定の労働時間の例外として、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合、そのような組合がない場合には労働者の過半数を代表する者との時間外労働休日労働に関する書面による協定(いわゆる36 )を行い、これ を所轄労働基準監督署長に届け出た場合には、同法32条により制限されている労働時 間を超えて労働させることができるとされています (同法36 )この時間外休日労働協定は同法321および2項の時間外労働に関する同法1191号の罰則規定のいわば免責事由になってお‍‍ (大阪高裁 19.9.12判決)、時間外・休日労働協定の延長時間の範囲内で労働 させている限りは、刑事上の責任を問われることはありません。

しかし、時間外休日労働協定に刑 事上の免責効力が認められるのは、あくまでその協定の範囲内において時間外休日労働を行わせている場合に限られます。時間外休日労協定の延長時間の範囲を超えて労働させた場合は、免責は認められず、元に戻って労基32条違反が成立し、罰則の適用を受ける可能性があります。

 

2 司法処分についての基本的考え方

それでは、協定オーバーがあった場合に即司法処分されるかというと、そのようなことはありません。その法違反が悪質であるか否かによって、司法処分に付するか否かが決定されています。平成11年の衆議院予算委員会の議事録によると、 当時の労働省労働基準局長が、「(労働基準法37条および24 違反について)それに違反したからといって、重大 法違反ということで直ちに司法処理に至るという意味ではございません。そうした事態の発生していた経緯とか、それに対する事業主の対応、あるいは繰り返して行われること等、総合的に見た上で悪質であるかどうかという判断になるわけでございます。」と答弁しています。

 

3 36 定の延長時間オーバーと司法処分

平成22年度に東京労働局大田労働基準監督署で司法処分された協定の延長時間オーバーの事例は、被疑会社 (製造業)が、平成22315日から同年528日までの間、労働者10名に対し、「特別条項付きの時間外労働・休日労働に関する協定届」の延長時間である1カ月100 間を超えて、1カ月について2時間23 ないし93時間14分の労働 をさせたというものです。また、宮城労働局古川労働基準監督署では、平成2312月に一般貨物運送事業を営む会社および代表取締役を、労働基準法および労働安全衛生法違反で司法処分しています。この事件では、平成21 31日から3 31日までの間に、貨物自動車の運転者に対して時間外労働・休日労働に関する協定届の1日の延長時間である5時間を超えて10分ないし4時間15分の時間外労働を延べ13回にわたり行わせ、さらに、この労働者が深夜労働に従事していたにもかかわらず、6カ月以内に1回の定期健康診断を実施しなかったというものです。このように過去の事例を見ると、前述国会答弁のとおり、複数回の協定オーバーにより極端 な長時間労働が行われたなど法違反の程度が悪質なものが司法処分とされていることが分か ります。したがって、ご質問のように1度ぐらいの協定オーバーであれば、即司法処分にされることはないと考えられます。

 

4 協定オーバーと是正勧告

次に、たまたま、協定オーバーのあった時期に労働基準監督官の臨検監督があった場合にどのような措置がとられるかというと、おそらく労働基準法32 違反として是正勧告書を交付されると考えられます。その是正期は、「即時」ということで、以後協定オーバーをしないように指導されるでしょう。「今後は、36 定の延長時間を超 えて労働させないように労働時間管理 を行うよう徹底します。」というような内容の是正報告書 提出すれば、その監督指導は完結とされます。

 

5 協定オーバー後に求められる措置

前述2の司法処分の考え方などによれば、悪質な法違反ならないことが求められているので、仮に協定オーバーがあっても、二重帳簿を作成することなくありのままの労働時間の記録を残 し、その後に協定オーバーを繰り返 さないことが重要です。また、今後も協定オーバーの可能性があるなら、過半数労働組合あるいは過半数代表者の同意を得て、時間外労働協定の延長時間を変更し、36 定の届け出をあらためて行うことも必要です。

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