企業経営の人にまつわるご相談なら

神戸元町労務管理サポート

〒650-0012 神戸市中央区北長狭通5-2-19-401
JR元町、地下鉄県庁前からJR元町徒歩2分、地下鉄元町徒歩2分

受付時間
午前9時から午後5時
休業日
土日、祝日、年末年始、夏休み

※特別なご要望がございましたら土曜日対応も可

お問合せ・ご相談はこちらから
078-599-5018
管理監督者の深夜割増手当の支払い

Q 管理職の深夜労働に対して、本人の請求した時間分の割増賃金を支払わなければならないでしょうか。当社では係長も管理監督者としています。今後は深夜割増を定額で払おうと考えていますが、問題がありますか。

A 労基法41条の管理監督者に該当しなければ、時間外労働・休日労働に対する割増賃金を支払わなければなりません。

 

1 管理監督者とは何か

労働基準法(以下、労基法)で定められた労働時間、休憩、体日等の労働条件は最低基準なので、この規制の枠を超えて労働させた場合には、法定の割増賃金を支払わなければならないことはすべての労働者に共通する基本原則です。にもかかわらず、労基法41条が、監督もしくは管理の地位にある者 (以下、管理監督者)について、労働時間、休憩、体日に関する規定の適用をしない、すなわち法定の割増賃金を支払わなくてよいとしている理由は、管理監督者は労働時間等の規制を超えて活動しなければならない企業経営上の必要があると認めているからです。それでは、個々の企業において独自の基準で任命している役付者のすべてが管理監督者と認められるかというとそうではありません。管理監督者の範囲については労基法には規定がありませんが、行政通達では「企業が人事管理上あるいは営業政策上の必要等から任命する職制上の役付者であればすべてが管理監督者として例外的取扱いが認められるものではない」(昭 22.9.13  発基27号、昭 63.3.14  基発150号・ 婦発47号)と しています。 同通達は 、その範囲について、第1に 「一般的には、部長 、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称 にとらわれず、実態に則して判断すべ き」とし、第 2に 出退勤について厳格な規制を受けず自己の勤務時間について自由裁量を有する地位 にあること、第3に職務の重要性に見合う十分な基本給、役付手当等が支給されていること、賞与について一般労働者に比べて優遇措置が講じられていること等という三つの判断基準を示しています。管理監督者と認められるためには、これらのすべてに該当する必要があ ります。

 

2 管理監督者の裁判例

管理監督者に関する裁判例に、前掲通達の判断基準により地質調査会社の係長、課長補 、課長、次長、課長待遇調査役および次長待遇調査役は、労基法41条 2号の管理監督者には当たらないとされた例 (東建ジオテック事件  東京地裁  平143.28判決 )があります。判決は係長等について、支店の管理職会議や幹部会議に出席していたが、それらは、経営側の支店運営方針を下達する場であり、経営方針に関することを決定する場とは認められないこと、ま た人事評価への関与等労務管理の一端 を担っていたが、経営者と一体的立場 にあったとは言い難いとし、さらにタイムカードによる管理はないものの、就業規則で係長以上の者について勤務時間が定められ、支店長らが視認で勤怠管理しており、勤務時間が自由裁量に委ね られていたとは到底評価できないと判断しています。

 

3. 管理監督者に対する深夜手当の支払い

前述の具体的判断基準のすべてに該当して管理監督者であると認められて も、労基法41条により、適用除外とされる規定は労働時間、休憩、体日に関するものに限られ、深夜業(午後10時から午前 5時)については適用除外とはならないので、深夜業に対する割増賃金は支払わなければなりません。

 

4. 係長は管理監督者か

貴社の係長が管理監督者に該当するか どうかは、具体的な権限や賃金額等が不明なので断定は避けますが、一般的に考えれば係長の立場で経営者と一体的な立場にあるとか、出退勤の自由があるとは言えないでしょう。そうなると、深夜労働に対する手当だけでなく、時間外労働手当や休日労働手当も支払わなくてはならないことになります。係長が付けていた勤務時間のメモが事実に基づくかどうかについては、一緒に労働 していた社員の労働時間の記録やパソコンの記録、あるいは社屋の出入記録等について調査 をすれば正確 なものかどうかは分かると思います。併せて、係長より上位の役付者についても労基法上の 管理監督者に該当するか否かの見直しをしなくてはならないで しょう。

 

5 深夜労働手当を時間当たりの定額で支払うことの当否

深夜労働手当を時間当たりの定額で支払うということは、最も賃金の高い係長を基準にして定額にするということだと思いますが、個々の係長の賃金に基づいて計算される深夜労働手当を下回ることがない限り問題はありません。

 

6 管理監督者の労働時間と健康管理

労基法41条 により管理監督者であると認められた社員について、適用除外が認められているのは、労基法の労働時間、休憩、体日に関する規定だけです。管理監督者も労働安全衛生法66条の8に基づく長時間労働者の面接指導の対象であり、また使用者は管理監督者に対する労働契約に付随する安全配慮義務も負っているので、その労働時間について健康管理のために関与しなくてはなりません。厚生労働省も、「事業者は、裁量労働制対象労働者及び管理・監督者についても、健康確保のための責務があることなどに十分留意し、当該労働者に対し、過重労働とならないよう十分な注意喚起を行うなどの措置を講ずるよう努めるものとす る」(過 重労働 による健康障害 を防止するため事業者が講ずべ き措置平183.17  基発0317008)と しています。

 

お問合せはこちら

お気軽にお問合せください

お電話でのご予約・お問合せはこちら

078-599-5018

受付時間 午前9時から午後5時
休業日 土日、祝日、年末年始、夏休み

インフォメーション

アクセス
お問合せ
078-599-5018
受付時間

午前9時から午後5時
※特別なご要望がございましたら土曜日対応も可

休業日

土日、祝日、年末年始、夏休み

住所

〒650-0012
神戸市中央区北長狭通5-2-19-311

JR元町徒歩2分
地下鉄県庁前徒歩2分