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代休の取得を1ヶ月以内に制限することは可能でしょうか。

A 基本的には問題ありません。ただし、就業規則の不利益変更となるので、配慮が必要です。

1 代休取得を制限することの可否

代休とは、休日労働を行わせた後で、その代償措置として他の労働日の勤務を免除するものす。代休を与えることによって、既に行われた労働が休日労働でなくなるということはありません。また、代休は労働基準法で定められた制度ではないので、必ず付与しなければならないものでもありません。

よく似た制度に「振替休日」があります。これはあらかじめ定めた休日を事前の手続きにより他の労働日に振り替えることであり、当初の休日は労働日となり、、休日労働させることにはなりません (昭 23.4.19  基収1397、昭63.3.14  基発150・ 婦発47)。休日の振り替えを行う場合は、①就業規則等に振替休日の定めを置くこと、②振替日を事前に特定しておくこと、①振替日は4週の範囲内 (4週4休の確保)、④遅くとも前日の勤務時間終了までに通知すること一―等の要件があります (昭237.5  基発968、昭 63.3.14  基発150・ 婦発47)。

一方、代休には、振替休日のように一定の期間内に付与しなければならないといった要件 はないので 、「代体の取得は『休日出勤から1カ月以内』とし、その間に取得できなかった場合には「消滅」するという制度にする」ことについて、基本的に問題はありません。

 

2 休日確保の重要性

休日を確実に取得することは疲労回復のために欠かせません。「脳血管疾患及び虚血性心臓疾患(負傷に起因するものを除く。)の認定基準について」(平13.12.12基発1063号)でも、脳・心臓疾患の発生について「休日のない連続勤務が長く続くほど業務と発症との関連をより強めるものであり、逆に、休日が十分確保されている場合は、疲労は回復ないし回復傾向を示すものである。」と休日確保の重要性を認めています。代休が取得できずに何日分もためてしまう社員については健康管理上間題があるのではないかという懸念があります。そもそも代休制度とは、休日出勤に限らず長時間の時間外労働や深夜業に従事した労働者に代償措置として、疲労回復のために行われている制度です。にもかかわらずその代償措置を享受することがで きないということは、当該社員が休みも取れない多忙な状態に置かれている可能性が考えられます。

 

3 代休消滅手続きと健康管理

代休を休日出勤から1カ月以内に必ず取らせるという制度度は基本的には問題はないのですが、その間に取得できなかった場合に機械的に消滅するとなると社員の健康管理についての不安が残ります。改善策としては、一律に消滅させるのではなく、きめ細かな配慮を行うことが考えられます。例えば、代休の取得は「休日出勤から1カ月以内」に限り、その間に取得できない社員については、その者の1カ月の労働時間、休日日数、および代休が取得できない理由を明らかにします。その結果、過重労働が認められない場合には消滅することにします。しかし、長時間労働が認められ、休日出勤が続いていて代休を取りたくても取れないような場合には、当該社員の管理者、労務管理部門、そして産業保健スタッフの連携により、疲労回復のために代休取得が可能となるような条件を整え、翌月でもいいから代休を取って休ませるというような措置を行います。さらに、代休取得していない社員が特定部署に集中している場合には、その部署の業務や人員配置の見直しが必要となるかもしれません。このような配慮をすることで労務管理の手間は増えるで しょうが、こ れは、代休取得期間の制限の有無にかかわらず、過重労働対策として必要な措置 といえます。

 

4 就業規則による労働条件の不利益変更

 ところで、代休取得期間の制限がないという労働条件について、新たに「1カ月」という制限を設け、取得しない場合は消滅するという制度に変更するということは、不利益変更といえます。 これは就業規則の変更によって行われると思いますが 、労働者の合意を得ずに、使用者が一方的に就業規則を不利益に変更することはできません (労働契約法9条 )。しかし、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、①労働者の受ける不利益の程度、②労働条件の変更の必要性 、③変更後の就業規則の内容の相当性 、④労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約法9条の例外として、労働者の合意が得られな くて も労働条件 は変更後の就業規則の定めによるもの とされています (同 法10条 )。社員の健康管理上 という変更の必要性はうなずけるものです。 しかし、労働者の受ける不利益の程度 と変更後の就業規則の内容の相当性を得るために、例えば前述3で述べたように休日出勤から1カ月以内に代休取得できなかった場合で、過重労働が認められる場合は代休取得の条件を整えたうえで取得させることとし、長時間労働に至っていない場合は消滅するというような配慮が必要と思われます。さらに、変更後の就業規則を社員に周知し、労働組合等 との交渉を十分に行ったうえで変更することが重要です。

 

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